ゲルハルト・リヒター展 : ドイツと向き合った男

今、雑誌などでよくゲルハルト・リヒターの特集がされているので、先日見に行ってみた。

彼の絵の特徴は、写真の上からぼかしたように描くスタイルである。一見何が書いてあるか分からない。しかし、それがナチスの収容所であると聞くとまったく見え方が異なってくる。

リアルを直視できない人間の弱さを感じた気がした。だから、彼の絵はぼやけているのだと。だが、それが逆に生々しさを感じさせる。

あのキャンパスの上に彩られたカオスはかえって収容所の無惨さを伝える。ところどころ赤い絵の具が飛び散っているのを見ると、少しお腹が痛くなってしまった。

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