Juice WRLD – Righteous:儚さと美しさ

今回はJuice WRLDの『righteous』という曲を取り上げたいと思う。Juice WRLDはアメリカのラッパーですが、彼の音楽に対する姿勢はイケイケのそれとは少し違う。彼は薬物中毒との戦いや鬱、失恋などその時の彼の内面を音楽を通じて、表現してる。自分は彼のそういう闇の部分に共感してしまう。

動画見れない人はYOUTUBEに飛んで見てみてください!!

このRighteousという曲はJuice WRLDの死後に初めて発表された曲。彼は薬物の過剰摂取により、21歳で亡くなっている。詳細は以下へどうぞ。

『righteous』という曲は薬物と鬱が主題となっている曲。このRighteousという単語は「高貴な」という意味があり、聖職者のような人を表す単語です。歌い出しは

all white Gucci suit, I’m feeling righteous

という歌詞から始まります。このグッチのスーツは裕福さの象徴。しかも、真っ白のセットアップ。全身を白でまとうというのはキリスト教の聖職者と同じだそうで、グッチのスーツを身につけて、自分が偉くなったような錯覚を覚えている状況だと思われる。

しかし、この充足感は空虚なもの。あくまで一時的なものに過ぎない。時間が経つと、気づくのだろう。ものでは自分を満たせないということを。

歌詞では、うまくいかない現実に戸惑い、薬物に走ってしまうシーンが描写されています。自分の傷を癒すために、ハイになる。つまり、薬物に逃げてしまう。iceというのは隠語でクスリのこと。

しかし、薬物に走ること、逃げることは悪なのか。確かに、体を壊し、他人に迷惑をかける可能性があるという点で薬物は最悪。これは飲酒運転と同じ論理。でも、多くの人は薬物以外の手段に頼り、ハイになることで精神の安定を保っているように思われる。例えば、推しとか。そう考えると、薬物と推しの違いってなんなのだろうと思うことがある。サウナも薬物と変わらないのではないか。

その後には、ヤクを決めたときのことの様子が描写されており、薬物に手を出す自分の弱さを悪魔だと言っています。ここには、キリスト教の世界観があるのかもしれない。自分の意志ではなく、悪魔のせいにしちゃう。日本と違い、欧米では悪魔というのは身近な存在のよう。洋楽を漁っているとよくdemonという単語を見かける。悪魔を設定することによって自分が罪悪感を減らしているのかもしれない。

ちょっと前、日本でも海外でもこのような鬱気味な曲が多く見受けられたような印象を受ける。主に、ネットから人気を得た人たちにそういう傾向が見られると思う。自分もだいぶ沼に入っている。

ちなみに、Juice WRLDのジャンルはエモ・ラップというそう。

ラップ・ロック ≠ エモ・ラップ、ジャンルのクロスオーバーに見る関係性の逆転 | HIP HOP DNAtext: Takeaki Iga 昨年急逝したリル・ピープや、今年3月にリリースした『?』がビルボード1位を獲得したXXhiphopdna.jp

どうしても辛い、そんな時はハイになりましょう。薬物以外でね。

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